補聴器

補聴器は、耳の中または耳の後ろに装用し、音声を増幅する器機です。難聴の方が、音をよりクリアに聞き取れるようサポートします。 世界保健機構(WHO)は、世界人口の20%が何らかの難聴を抱えていると推定しています。また難聴者のわずか5分の1の人が難聴に対処し、補聴器を使用していると推定しています。

補聴器の仕組みとは?

補聴器は、耳に入る音を分析して増幅することで、音が耳から脳に伝達されるように働きます。補聴器は次の5つの主要な要素から構成されています。

  • 音を拾い、感知する1つまたは2つのマイク
  • ノイズを低減し、音声をクリアにするサウンドプロセッサ
  • 小さな音も聞き取れるようにするアンプ(増幅器)
  • 処理した音を耳に送るための小型スピーカー
  • 充電池または空気電池

補聴器は簡単なプロセスで動作します。まず、マイクが音を拾い、それを電気信号へと変換し、サウンドプロセッサへと送ります。送られた音は、ノイズを減衰させて、同時に音声信号を増強させます。この音声信号は、次にアンプ(増幅器)によって増幅され、スピーカーを通して耳に届けられます。

現代の補聴器は、アナログではなくデジタル処理を使用しており、最も先進的な補聴器は人工知能(AI)などの最新技術を搭載しています。 一部の補聴器には充電式もあり、電池交換や電池を処分する必要がないため、扱いやすく便利です。また、多くの補聴器がワイヤレス通信でスマートフォン、音楽プレーヤー、パソコン、テレビなどのスマート端末に接続することができます。

聞こえと難聴の背景にある技術について詳細をご覧ください。

補聴器の利点

補聴器によって、小さな音や会話が聞き取れるようになります。それにより、リラックスして自信をもって会話に参加できるようになります。補聴器は、次のようなことをサポートします。

  • 人とつながる:
    補聴器でより良い聞こえを得ることによって、話し声を聞いたり、理解する能力が高まります。お客様が置かれた環境にスムーズに順応でき、騒がしい環境においても雑音が抑えられ、話し声をよりクリアに聞くことができます。身の回りの人たちや社会と関わることができるため、大切な人たちとのつながりを維持できます。

Three women enjoying spending time in an outdoor café and having a conversation without difficulties understanding each other

  • 社会とつながる:
    補聴器によって、身の回りの小さな音や生活音も聞き取れるようになります。また、Bluetooth無線通信を利用して、日常生活で使用しているスマートフォン、テレビ、その他の機器と補聴器がつながり、好きな音楽やテレビ番組を直接補聴器で聴くことができます。

Man sitting on a couch looking on his iPad for Philips HearLink compatibility

  • 自分自身とつながる:
    聞こえが改善することで、情緒の安定と心の健康にもつながるため毎日を楽しむことができます。また、補聴器によって自信がもてるようになり、聞こえが良くなることでより豊かな人生を送ることができます。

Husband and wife are hiking in the forest and enjoying the sound of nature helping them to relax

さまざまな種類の補聴器

一人ひとり異なるライフスタイルとニーズがあるように、難聴にも個人差があります。個々の要望に合うように、幅広い種類の補聴器をご用意しています。

耳かけ型補聴器

耳かけ型補聴器は、取り扱いが簡単で、耳のすぐ後ろまたは耳の上に装用するタイプの補聴器です。このタイプは音声出力が高いため、高度から重度難聴の方に適しています。耳かけ型補聴器の詳細はこちらをご覧ください

外耳道内レシーバー (RITE)タイプの補聴器

外耳道内レシーバー (RITE)タイプの耳かけ型補聴器は、補聴器の中では最も人気のスタイルで、先進技術をいち早く取り入れています。補聴器本体は耳の後ろに位置し、スピーカーを耳の中にいれて使用するタイプの補聴器です。小型で目立ちにくく、軽度から高度難聴の方に適しています。

耳あな型補聴器

耳あな型補聴器は、耳の中に挿入するタイプの補聴器です。一人ひとり耳の形状に合わせてオーダーメイドで造られるため、お客様のニーズに合わせた装用感を得られます。耳あな型補聴器には、IIC、CIC、ITCの3つのスタイルと、幅広いオプションがあります。

見えない耳あな型補聴器IIC

耳あな型補聴器IICスタイルは、最も小型でつけていても見えない補聴器です。この超小型の補聴器は、軽度から中高度難聴の方に適しています。耳あなの奥にすっぽり収まるため、日常生活を送るうえで気になったり、邪魔になることはありません。

目立たない耳あな型補聴器CIC

小さくて目立たない耳あな型補聴器CICは、耳の中に完全に収まるタイプで、軽度から中高度難聴の方に適しています。さまざまな機能を備えたCICスタイルは目立ちにくく、より良い聞こえを届けます。

耳あな型補聴器ITC(カナル)

耳あな型補聴器ITC(カナル)スタイルは、耳の中に装用するタイプで、軽度から高度難聴の方に適しています。外耳道のやや外側に装用するため目には見えますが、目立ちにくい仕様になっています。ITCスタイルにはさまざまな個別化のオプションがあり、お客様のニーズやライフスタイルに合わせてカスタマイズすることができます。

補聴器を購入する前に考慮すべきことは?

聴力の低下を感じたら、補聴器が必要となるかもしれません。補聴器を使用して難聴に対処するという大きな決断をすることで、人生が変わることがあります。補聴器を使用する前に、ご検討いただくことをご紹介します。

症状

難聴の兆候に気づいたら、どのような聞こえの変化が起こっていて、どういった場合に聞こえにくくなるのかを考える必要があります。最も聞こえにくいと感じる場所や場面、聞き取りに苦労する環境はどのようなところでしょうか?このような情報によって、聴覚ケアの専門家は、聞こえのニーズに対するアドバイスやサポートがしやすくなります。最初のステップとして、当社のオンライン聞こえのチェックをお試しいただき、難聴の兆候がみられるかどうかをご確認ください。

期待すること

補聴器は、聞こえを補い、さまざまな環境において音や声をよりクリアに届けてより快適に聞こえるようにサポートしますが、完全に聞こえを補うものではありません。

予算

聴覚ケアの専門家を訪問すると、さまざまな補聴器の中から、お客様の聞こえのニーズとライフスタイルに合った補聴器を選択できるようサポートします。また、お客様の聞こえに適切で、ご予算にあった補聴器を見つけられるように、必要な費用についてもご案内します

補聴器との生活に順応する方法

難聴の度合いやニーズ、予算に合った補聴器を選択した後、聴覚ケアの専門家は補聴器の調整(フィッテイング)を行い、補聴器を正しく装用する方法やアクセサリーの使い方についてアドバイスします。

補聴器は、すぐに聞こえが良くなったと感じるものの、音の増幅感や耳の中または耳に何かしらを装用しているという新しい感覚に慣れるには少し時間がかかります。設定を変えてみたりして補聴器を装用すればするほど、補聴器を最大限に活用することができます。

新しい補聴器を装用し始めてから数週間または数ヵ月した時点で、聴覚ケアの専門家にフォローアップの予約を入れることをお勧めします。相談したいことがあれば何でも質問できますし、聴覚ケアの専門家はお客様とお客様の耳が新しい補聴器に順応しているかを確認し、適切な聞こえが得られるように補聴器を調整します。

ご自身に適した補聴器を!

お客様に適切な補聴器の種類とスタイルを見つけるためには、多くの要素が関わってきます。難聴の度合い、ライフスタイル、または外観の好みなどがあります。フィリップス ヒアリンク補聴器について詳しい情報をご覧ください

ヘルプとアドバイス

お客様の聞こえの状態をチェックしたい場合は、当社のオンライン聞こえのチェックをお試しください。さらなるご相談やサポートについては、聴覚ケアの専門家または耳鼻咽喉科の専門医にお問い合せください。